「薔薇を育てている環境(日照、風通し、土、気候、等々)は十人十色、育て方もそれぞれ違う」
「薔薇を育てる過程を楽しむ、花や香りを楽しむ、コンテストに出す、と楽しみも人それぞれ」
「何々しなければ駄目という育て方はしんどいので、気楽に育てよう」
と我が師匠、おさはち先生のお言葉。
全くその通りということで、「うちはうちなりの育成方針」があって、バラを育てています。
うちの場所は、街中で土地が狭い上、地面が舗装されている為、地植えができません。
鉢植えでしかバラを育てていませんが、先生に習った事の振返り学習を含めて、
自分なりの育て方を紹介してみたいと思います。
あ、色々と書いてますが、必ず全部きっちりとできているとは限りません。
「まぁ、いいか~ぁ」というのもありなんです…。^_^;
尚、順番は代表的な作業の頻度順です。
掃除 |
掃除はできるだけ毎日します。 何故って、綺麗な方が気持ち良いからです。 でも、理由はそれだけではありません。 落ち葉って、病気になって落ちていることが多いんです。 その病気の落ち葉って、その病気の菌を広げることがあるんですよ。 後、落ちている蕾には、バラゾウムシの卵が産み付けれていることがあります。 散った花びらは腐りやすくて、病気の温床になったりします。 あ、終わった花も花首で切ってくださいね。(凋花切り) 種が出来ちゃうと、種に栄養が集中する為、株の成長が止まって弱ってしまいます。 段々、掃除する気になって来たでしょ? 毎日少しづつ掃除していれば、掃除する時間も少しづつになりますね。 ついでに、バラの様子を見てあげると良いですよ。 芽が出てきたとか、可愛く咲いてくれたとか、虫がいるとか、病気が出てるとか段々と調子や状況が 判るようになってきます。 |
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水やり |
バラは、乾き気味の土がいいんです。 水を求めて根が伸びると、強いバラが育ちます。 だから、水やりは、表土が乾いてから、たっぷりあげます。 乾いたかどうかは、土の表面を引っ掻いてみて、湿っていなければ乾いたと判断します。 じゃあ、たっぷりというのはどの位かというと、水をあげている最中に、鉢の下から水が 出てくるくらいです。 大体、10号鉢で1~1.5リットル位水分が溜まるそうです。 それで、水分のある鉢は持ってみると重いんですね。 一度、自分があげている水の量を測ると良いのですが、うちではホースで10数えていて、 大体2リットル位あげることになります。 夏場は毎朝、水やりが必要です。 ここは夏がとても暑いので、バラだって熱中症になっちゃうんです。 だから、涼しい朝に水やりをあげるんですね。 とても暑ければ、水やりは朝夕の二回でも良いです。 うちでは、夏の夕方、水やりの代わりにバラシャワー(シリンジ)しています。 もし、日中にぐったりしていたら、日中の水やりもOKです。 特に夏場は、続けて二回の水やりが良いそうです。 一回目で鉢の温度を下げて、二回目で冷たい水を飲んでねって。 もし、水切れしたら、一週間後ぐらいに、葉が黄変して落葉します。 致命的な水枯れじゃなければ、また葉っぱが生えてくるので、慌てない様に。 冬はハッパがないので1週間に一度くらいでいいんです。 ハッパがなくて、蒸散しないんです。 乾いたら、水やりでいいですよ。 雨の日は、水やりしなくて良いなんて思ってませんか? 大雨じゃなければ、大して水が染み込みませんから、雨でも水やりは必要なんですよ。 え~っと、実は水やりって、お水をあげているだけじゃないんですよ。 根っこも呼吸しているので、水を沢山あげることで、鉢の中の空気を入替えてあげるんですね。 可愛いからって、毎日、何も考えずに水やりしちゃ駄目ですよ。 喉が乾いたら水を飲むというのと一緒で、喉も乾いていないのに水をあげても飲めません。 そうすると、水が長い間鉢の中に残って、腐っちゃうんです。 水が腐ると悪い菌が増えるし、根っこも空気がないので根腐りして死んじゃいます。 くれぐれも、水のあげすぎには気を付けましょう。 |
施肥 |
施肥は、バラの成長に合わせてあげます。 枝葉や根が育つ時、花が咲く時で、必要な肥料が異なります。 枝葉は窒素(N)、花はリン酸(P)、根はカリ(K)です。 特にカリは、枝葉を引き締める(固くする)効果もあります。 うちでは、鉢植えなので寒肥はあげません。 植替えの時に、元肥を仕込みます。 後は、液肥主体で蕾が色づく頃から花が咲いている間はあげない様にしています。 それ以外に冬剪定前後~芽吹き迄(休眠期)も施肥はお休みです。 残った期間の春から秋までは、大体一週間から10日に一回液肥をあげてます。 花後には、エネルギーを消費しているので、お礼肥えをあげます。 使っている肥料の種類は、鉢植えなので殆ど液肥です。 緩効性の化学肥料もありますが、元肥かお礼肥位で使ってます。 堆肥や有機肥料は使っていないのは、鉢植えなので発酵したら困るからです。 鉢植えは地植えと違って、土が悪くなったら、土を入れ替えれば良いので、 堆肥や有機肥料で土づくりする必要があまりないと思っています。 肥料の濃度が上がりすぎると、塩害が出たり、肥料やけしますので、要領は守ってくださいね。 水やりした後にあげると、肥料を吸いやすいです。 夏場は薄めにして回数を増やして、規定量分をあげると良いです。 ●よく使う液肥 ・微粉ハイポネックス ・プロ用ハイポネックス(効果抜群、葉っぱの表情が驚くほど変わります) ・アルゴフラッシュ バラ専用液肥 ●使っている緩効性の化成肥料 ・マグアンプK ・ベジタプルエードボール ・野菜がぽんぽんとれる有機化成肥料 |
薬剤 |
使わなくて済むなら使いませんが、そんなに強いバラばかりがあるわけではありません。 3年生ぐらいになると病気に強くなってきますが、特定の弱点があるバラもいるんです。 なので、ポイントを絞って、薬剤は散布するようにしています。(減農薬) 後、殺虫剤はあまり持っていません。 虫は「テデトール」が基本です。 最近、生薬(アグリチンキ、ジックニーム等)や光合成菌の資材を買っているので、 来年こそは、ちゃんと使ってみたいです。^_^; 薬の種類は理解しておいて下さいね。 殺菌剤で、虫の退治はできません。 殺虫剤で、病気の退治はできません。 予防薬で、病気の治療はできません。(両方できるものもありますが…) 薬を混ぜて散布できますが、混ぜるな危険の組み合わせに注意します。 (普通、これとあれは混ぜてもOKという組合せが書いてある) 夏場に乳剤や展着剤を使うと、葉焼けすることがありますので、夏場の使用は避けます。 同じ成分の薬を使い続けると薬が効かなくなるので、違う成分の薬とローテションを組みます。 散布時間は、早朝が基本です。(夕方も可能) 日焼けしない時間や人通りがない時間、風が止まっているか微弱の時を狙います。 散布時期は、季節の変わり目、強風や台風の前後が効果的です。 うちでは春にうどん粉、秋に黒点(黒星)病が流行するのでその時期に予防します。 発生した後は、治療薬を散布します。 散布が終わったら、服を着替えて、シャワーを浴びます。 ●黒点病の薬 ・ダコニール1000(乳剤なので夏場はパス、耐性菌の発生なし) ・サルバトーレME液剤(浸透移行性、治療効果もあり) ●うどん粉病の薬 ・ハッパ乳剤(なたね白絞油ベース) ・カりグリーン水溶剤(重曹ベース) ・パンチョTF顆粒水和剤 ・サルバトーレME液剤(浸透移行性、治療効果もあり) 虫はテデトール以外に以下の方法があります。 ・アブラムシ、ハダニはシリンジする。 ・カイガラムシは、歯ブラシ等でこそげとる。 ・コガネムシ対策で、バークチップマルチする。 (今のところ効果がある様子、コガネムシがいない時期は外す) 近頃、ミナミキイロアザミウマに新芽をやられているので、なんとかしたいのですが、薬しかないのかぁ…。 |
剪定 |
大きな剪定は冬の1~2月ごろの休眠期にします。(いわゆる冬剪定) 冬剪定は、つるバラ以外、3芽残しで、がっつり剪定します。 春、夏、秋共に、花が咲いたら、凋花切りします。(花首で切る) 房咲きの花の場合は、全部の花が終わったら、5枚葉まで切戻します。 ローズヒップを楽しみたい場合は、放置します。 一季咲きのつるバラは花芽ができる前の夏場に1m位に切戻します。 うちはバラばっかりで、夏の花がありませんから、夏でも摘蕾はしていません。 秋に入る前後の9月初旬前後、中秋の名月までに秋バラを楽しむ為に夏剪定します。 夏剪定も、つるバラ以外、3芽残しで、がっつり剪定します。 チャイナやポリアンサは勝手に咲くので放置も可能です。 品種毎に、開花期間が微妙に違うので、完全に一緒に咲かせたい方は、開花日数を確認して 切ってください。 (うちは、そんなことしてませんけどね…。) 剪定鋏の使い方は、切り刃(広い方)を下、受け刃(角ばった細い方)を上にして切ります。 受け刃側は組織が潰れる為、剪定して捨てる上の枝側にします。 その他、病気の枝、枯れ枝は随時切ります。 細くて戦力外の枝、風通しを悪くしている枝も切ります。 花数を増やしたい場合は、枝数を残します。 大きな花を咲かせたい場合は、枝数を減らします。 細い枝で切ると、早く小さな花が咲きます。 太い枝で切ると、遅く大きな花が咲きます。 |
植替 |
植替えは、用土、根のリフレッシュの為に行います。 用土は、ずっと使っていると、団粒構造が壊れて、水持ち水はけが悪くなります。 根もたくさん生えてくると、根詰まりを起こして空気が吸えなくなります。 どちらも根腐りの元凶になるので、植替えが必要との認識です。 うちでは、大体12月~1月に植替えしています。 植替えで根っこを切った時には、枝のバランスを取る必要があります。 少ない根っこで沢山の枝葉を養うことはできない為、注意してください。 うちでは、10号ロングスリット鉢を使っている為、二年に1回のズボラパターンを狙っています。 二年に1回にするために、容量的なものだけでなく、他にも対応が必要と思っています。 ・用土をケチらない。(ちょっと高いけど、バラ専用の用土を使う) ・たまに中耕する。 ・水はけが悪くなったら、イボ支柱で数カ所穴を空ける。 ・土を劣化させないように有用菌を増やす資材を投入する。 ・ミリオン等で不要な肥料を取り除く。 |